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揺れるアパート 遥か昔の新婚時代の話

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D750 + AF-S NIKKOR 24-120mm f/4

今週のお題「間取り」

 

もうずいぶん遥か昔、20歳代半ばの新婚時代の話。

お互いの職場の中間点を中心に安いアパートを物色。

どうやって決めたのかはもう定かでは無いけど、駅から徒歩15分ぐらいの2Kのアパートを借りた。

築何年かなども全く覚えていないが、結構古かったと思う。

 

このアパートは2階の2世帯のみ。

1階はなにかの会社が入っていた。

だから夜や休日は階下を気にする必要なかったことも決め手になったのだったと思う。

 

玄関入ってすぐに台所。

台所の窓はアパートの通路に面したすりガラス。鉄格子付き。

通る人は我が家の隣に住んでいる夫婦のみ。

通路側は駐車場に面していたのもあって、夜はちょっと暗かったが治安の悪いことはなかった。

 

6畳の畳の部屋が2つ。

それもフスマで仕切られているような感じ。

日当たりは悪くなく、雨戸はなかったが大きめの窓だった。

また角部屋にあたるところは当然壁2面に窓。

採光は十分だったと思う。

 

 

トイレは和式だったな。

いちいちしゃがむのが辛かった。

それから風呂は風呂釜だった。

シャワーもあったと思うけど、風呂を沸かすのは風呂釜のつまみをひねる必要があり、ほっとけば沸騰するようなものだった。

そういや台所はガスの給湯器だった。

買ったんだったよなあ、あれ。

レバーを押すと、「チッチッチ...ボワ」と点くやつ。

いまだに使っている人もいると思うけど、一部の高級住宅に住んでいる人以外、庶民にとってはそんなのが当たり前の時代だった。

 

 

それはよいのだけど、大失敗だったのが定期的にこのアパートは「揺れる」こと。

最初はたまたまか?と思っていたが、ずいぶんと見込みが甘かった。

原因は目の前の道を通るバス。

交通量も少なくなく、近くに大学もあってバスがわりと頻繁に通る。

そしてそのたびに「ガタガタ」と振動する。

スピードの問題か、乗っている人の数の問題かよくわからないが、微震のときもあれば大きく揺れる時もあったと思う。

地盤が緩かったのか、建物が脆弱だったのか。

両方かな、きっと。

夜はもちろんバスの運行が終わるから振動はおさまるが、大型のトラックなどが通るとやっぱり揺れる。

住み始めのときは他に選択肢がなかったから仕方ないと諦めてはいた。

でも子供ができ、それを機会にカミさんも退職したからなんとかお金を工面して抜け出した。

引越し先はもちろん、静かな環境を優先して幹線道路から少し入った2LDKの新築だった。

 

あのアパート、いまだにあるけど誰も住んでいないようだ。

もうこの時代で住めるような物件ではないだろう。

遠からず取り壊されるのだろうな。

そういや隣に住んでいた夫婦はどうしたろう。

名前も覚えていないし、交流も挨拶する程度だったからなあ。