ジャンク品(四千円だったかな)で購入した、このレンズ。
「(非Ai)Auto NIKKOR 50mm f/1.4」
D5600からD750に乗り換えたたら、マウントできなくなった。
D750はAi以降のFマウントでないと装着ができない。
(絞り連動レバーが干渉してマウントすらできない)
諦めていたのだが、Ai改造を行っている人もググると出てくるので、やって見ることにした。
(参考にしたサイト)
ステイホーム、時間はある。
あ、最初に書いとくけど、俺は「無茶苦茶」不器用。
そして、レンズを少しでも分解するなんて初めて。
その俺ができたのだから、大抵の人はできると思う。
※もしこれを参考にされる方がいたら、自己責任で。
最悪使えなくなっても良いもので実施したほうがいいと思う。
※f値を書いた試し撮りの2枚の写真以外は、すべてiPhone11で撮影
用意した道具
- 消毒用アルコールジェル (理由は後述)
- ネイルリムーバー (理由は後述)
- 精密ドライバー(2種類)
- メジャー
- マスキングテープ
- ダイヤモンドヤスリ
手順
- 黒い部分(なんて言うのかわからず)を外す
横のネジ3本をはずすが、すごく小さいので注意(これは簡単) - マウント面を外す
ネジ5本のうち、4本をはずす(これが大変な作業) - 絞り環を外す
写真には写っていないが、小さいネジ1本を外して、環自体を外す - 絞り環を削る(これが目的、絞り連動レバーに絞り環が引っかかるように削る)
- 上記手順を逆に実施して取り付ける
なんと!マウント面のネジがびくともしない
これが一番苦労したところ。
マウント面を外さない限り、絞り環は絶対に外れない。
なのでどうしても外さなければいけないのであるが、このネジがビクともしない。
以前から持っていた精密ドライバーセット2pを最初使ったのだが、全く動かず、ねじ山を舐めてしまいそう。
生来の不器用さを恨めしく思ってみたりするが、どうしようもない。
こんなときはGoogle先生に聞いて見ることにし、どうやらニコンのレンズは緩み止めの接着剤が塗布してあり、そのままではネジは回らないことがわかる。
ネジとの格闘と終焉
それからはネジとの格闘だった。
実質、試行錯誤していたから一週間以上は軽くかかっていると思う。
そして「ゆるみ止め接着剤を溶かすこと」が先決であると確信、しかもそれには無水エタノールが良いと突き止めた。
でも我が家にはそんなものはない。
変わりになるものは無いかと、成分を見て探したのが以下のもの。
- 消毒用アルコールジェル
エタノール配合、綿棒で結構多めにネジに塗ってみた - ネイルリムーバー
アセトン、これも綿棒に染み込ませて多めに塗ってみた
まず、消毒用アルコールジェルで試して見る。
塗った直後も、半日程度待っても、全くびくともせず。
数回やってみたが、まったくダメ。
そこで、ちょっとリスクが高いと思えたが、ネイルリムーバーに頼ってみることにした。
マニキュアを落とせるんだから、微量の接着剤ぐらい落とせるだろう。
しかしむなしく、直後も、半日経ってもダメだった。
かなり「無理〜...」な雰囲気が漂う。
そもそも不器用で細かいことは超苦手、これまで分解しても元通りにならなかったほうが多いタイプだし。
でもやらなければこのレンズはずっと使えないままなので、ダメ元でやってみたいと思い直した。
そして仮にレンズを壊してしまっても、勉強代だと腹を括る。
ここまできて気がついたのは、2pセットの細いドライバーでは押し付ける力が出ないのではないかということ。
ただでさえ回らないネジ、単純に回そうとするとネジ山が潰れる。
しっかりと押さえつけて少しずつ回さないとだめなのではないか。
そこで、グリップが太めで力を入れやすい精密ドライバーセットをホームセンターで購入。(八百円ぐらい)
そしてやってみたところ少しずつネジが回り始めた!
力のほとんどを押し付ける方向に、回すのは本当に少しの力配分。
なんとかネジを外すことができた。(これだけで感動)
ここで注意が必要なのは、1本だけ外してはいけないネジがある。
これは本体へのネジではなく、マウント面裏側を這うバネを支えるもの。
ネジを回すとバネがギリギリ言うのですぐわかる。
外してしまっても組み立てれば良いのであろうから、器用な方はそれでもいい。
でも俺には到底そんなことは無理、ここは慎重に....、で、うまくいったのだった。
本題の対応〜絞り環を削る
マウント面のネジを外してホッとしたのだが、本題はこれではなかった。
本題はあくまで、絞りリングの一部分を削ること。
そこで、絞り環を外すためマウントのプレートを外す。
でも簡単には外れない。
上述した裏を這うスプリングとなにやらレンズ方向に伸びる金属板が邪魔をする。
壊さない様に力を加減しながら色々試してみて、後玉付近の金属突起をずらすと簡単に撮れることがわかった。
ここまでくると、絞り環はあっさり簡単に外れる。
そしてここからが本題だ。
上記のサイトを参考に、f8と書いてある真ん中を通る様にマスキングテープを縦に貼り、削る範囲の下1mmを残して40mmで横にマスキングテープを貼る。
このサイズがおかしいとこれまでの苦労が水の泡。
何度も測って慎重にやってみた。
作業中の様子。赤枠の部分をダイヤモンドヤスリで慎重に削る。
約30分ぐらいかかった。
気を付けたのは削りすぎないことと、最初と最後の部分にしっかり角ができるようにしたこと。
連動レバーが引っかからなければ意味がないからだ。
これはほぼ削りきったときの写真だからか、こうやって写真で見ると結構汚い。
でも不器用な俺にして、意外にもうまくいったほうだと思う。
組み立て
組み立ては分解の基本的に逆の手順なのだが、そんな簡単には行かない。
- まず絞り環
ハマる位置は決まっているらしいが、横にセットしなければならないネジを何も考えずに取り付けたら、見事に環が回らない。
そこで、環が回りそうな位置を探りながら取り付けた。
問題がなければ無理なく取り付けることができる、間違えていれば途中からねじ込みが重くなるようだった。 - 次に、マウントのプレート
ネジの穴の位置を見ながら取り付ける。
ただし、プレートの裏面を這うスプリングと縦方向に伸びる金属板は要注意。
レンズボディに2箇所切り欠きがあり、大きい切り欠きに縦方向の金属板を挿入したあと、プレート自体を時計回りに回転させながらセットする。
このとき、f/1.4に合わせる必要がある。
そうしないと、プレートをセットした後に絞りが効かなくなる。
ちゃんとセットができれば取るときに苦労したネジは素直に入ってくれた。 - 最後に黒い部分を取り付けて終了
いやあ、なんだか感無量。
ネジが一本も余らないじゃない。
そして、無理してつけたパーツもなかったじゃない。
いや〜、満足満足。
試し撮り
それでもって、試し撮り。
スパッとD750にマウントできる!
マニュアルレンズの設定をして、絞り環を回す。
ちゃんと絞りがD750に伝わっている!
おお!、さらに感動。
ちゃんと撮れるじゃない!多分これはf/1.4。
窓際でテーブルフォト。これはf/2.8だったかな。
俺がレンズと格闘している間に愛妻が作ったサーターアンダギー。
ホットケーキミックスで作ったのだとか。
あとがき
なんとか、50mm f/1.4のレンズを使える様にできた。
オールドレンズ のゆるい感じもとても好きだからよかったよかった。
大満足。
次はもっと分解して、レンズそのものを磨いて見る?
いやいや、そんな大それたことは無理。
(そういう沼もあるらしいけど)